初めてのルーペの選び方①ルーペの倍率についてをやさしく解説
初めてルーペを選ぶ際は、用途や倍率、レンズの大きさなど、さまざまな点で迷われる方が多いのではないでしょうか。
その中でも、特に気になるのが「倍率」ではないでしょうか。
実際にお客様からも、
「このルーペは、どの位置から見たときに3倍になるのですか?」
というご質問をいただくことが多く、倍率に関する疑問は最も多いお問い合わせの一つです。
倍率は光学的な計算式に基づいて算出されるため、製品に表示されている倍率には明確な根拠があります。しかし、お客様がおっしゃるように、実際に見える倍率は、ルーペと対象物との距離や、目とルーペとの位置関係によって変化します。
つまり、表示されている「3倍」や「5倍」といった数値は、一定の条件で算出された基準値であり、実際の見え方は使用方法によって変わることがあります。
この記事では、光学機器メーカーの立場から、ルーペの倍率がどのように決められているのか、また「ルーペの倍率表示はあくまでも目安」である理由について、できるだけ分かりやすくご説明いたします。
1. ルーペの倍率は、必ずしも「計算式どおり」には見えません
一般的なルーペの倍率は、次の計算式によって求められます。
倍率 =(250 ÷ 焦点距離)+ 1
または、
倍率 =(ディオプター ÷ 4)+ 1
なお、焦点距離とディオプターの関係は次のとおりです。
焦点距離(mm)=1000 ÷ ディオプター
※一部の非球面レンズや、複数のレンズを組み合わせた「トリプレットレンズ」などは、この計算式が当てはまらない場合があります。
例えば、焦点距離が100mmのルーペの場合、
(250 ÷ 100)+ 1 = 3.5倍
となり、計算上の倍率は3.5倍になります。
しかし、ここで大切なのは、この3.5倍という数値は一定の条件で算出された基準値であるという点です。
実際のルーペは、対象物とレンズとの距離、さらにレンズと目との距離によって見える倍率が変化します。そのため、計算式では倍率は一つに決まりますが、実際の見え方は使用する位置や使い方によって異なります。
つまり、ルーペの倍率表示は「絶対的な倍率」ではなく、あくまでも使用時の目安となる倍率と考えていただくのが最も分かりやすいでしょう。

図をご覧いただくと分かるように、どちらも同じ「2.5倍・レンズ径75mm」のルーペですが、新聞から約4cmの位置で使用した場合と、約8cmの位置で使用した場合では、見える拡大率が異なります。
さらに、目とルーペとの距離が変わると、見え方はさらに変化します。
このように、ルーペに表示されている倍率は、光学的な計算式に基づいて算出された基準値であり、実際の見え方は使用する位置や使い方によって変わります。
そのため、ルーペを選ぶ際は、倍率の数値だけで判断するのではなく、「あくまでも目安」としてお考えいただくことが大切です。
ルーペ選びでは倍率だけでなく、用途やレンズの大きさ、見やすさなども重要なポイントになりますので、ご自身の用途に合った製品をお選びいただくことをおすすめいたします。
2. 自分に合った倍率の選び方
ルーペは、用途や使用時間に合った倍率を選ぶことが大切です。
低倍率のルーペは視野が広く、比較的長時間の使用に適しています。レンズ径が大きいほど見える範囲も広くなりますが、その分、本体も大きく重くなる傾向があります。
高倍率のルーペは細かな部分まで見やすい反面、視野が狭く、目が疲れやすくなります。長時間使用する場合は、適度に休憩を取りながらご使用ください。
倍率だけでなく、レンズの大きさや重さも確認し、ご自身の用途に合ったルーペをお選びください。
3.用途別の一例
●新聞や雑誌を見る時:手持ちルーペ【RL-90a】
軽くて丈夫なアクリルレンズ使用。4倍の小玉レンズ付き
●印刷物の細かな文字を確認する時:ライト付ポケットルーペ【RE-35】※全2色
携帯に便利な3.5倍のルーペ。レンズを開けば自動でライトが点灯。
●レイルアートや手芸・工作に: ライト付スタンドルーペ【TS-7】プラレンズ
ライト付の大型130mmのスタンドルーペ。サイズを測る目盛付。
4. まとめ
ルーペは、倍率が高ければ良いというものではなく、用途に合った倍率を選ぶことが大切です。
表示倍率は一定の条件で算出された目安であり、使用方法や視力などによって実際の見え方は変化します。
ぜひ倍率だけにとらわれず、ご自身にとって使いやすいルーペをお選びください。
本記事がルーペ選びの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。